為替介入の危険信号、それでも円安進行 ~一時1ドル161円を突破
目先、6月末から7月初にかけての為替相場は、為替介入を意識しながら、緊迫した情勢になるだろう。とはいえ、このまま円安基調は収まる訳ではないだろう。潜在的な内外金利差は大きく、円安基調は年末にかけて進むとみられる。
政府・日銀による市場介入か 外国為替市場で4円以上円高方向に | NHK
円安が1ドル155円後半まで進んできた。日本政府は、物価上昇を促すような円安進行を警戒して、為替介入をちらつかせている。筆者は、155円のラインを超えたことで、為替介入がいつ実施されてもおかしくないと注視している。しかし、為替介入の効果は限定的であり、中長期的にも円安の流れを修正する材料はまだ乏しいのが実情だ。日銀にも悩ましい問題だ。
外国為替市場では、4月24日に1ドル155円を超えて、さらに25・26日は155円台後半まで円安が進行した(図表)。これで為替介入がいつ実施されてもおかしくはない。ほとんどの市場参加者はそう感じているはずだ。
1ドル=150円突破迫り介入警戒感が浮上、200日線超えで円安加速も
6月末・7月初のタイミングは、経済指標が発表されて、それらを材料に為替相場は動きやすいと感じられる。そこで、為替が1ドル161円台に移行すると、日本の通貨当局は「危険エリアに入った」と判断して、トリガーを引く可能性が十分にある。米国からは、為替操作の監視リストに日本を復活させるという牽制球が投げ込まれた。イエレン財務長官も、あまり歓迎していない様子だ。しかし、日本の通貨当局は、それらを理由に動けないとは思われたくはないだろう。これまでも鈴木財務大臣は、介入の可能性を何度も示唆している。
日本の通貨当局は、為替介入をいつ実施してもおかしくはない構えにある。おそらく、再び10兆円近くの介入規模になれば、一時的にドル円レートは▲5円前後の円高を引き起こすだろう。その場合、1・2回の為替介入が実施されて、約1週間くらいかけて半値戻し(円安方向に+2~3円)で推移するとみられる。
外国為替市場で円安が進行し、1ドル=150円突破が迫っていることで円買い介入への警戒感が高まり始めている。
一頃のイスラエルとイランの間の緊張状態は、現時点では落ち着き、原油高騰に拍車がかかる情勢ではなくなっている。しかし、2024年1-3月の米GDPでは、個人消費デフレーターが前期比年率3.4%上昇と依然インフレ圧力が高まっている姿である。FRBの年内利下げが遅れて、場合によっては利下げなしのシナリオが以前に増して意識されるように思える。それが米長期金利を4.7%台まで上昇させて、ドル高傾向を生み出している。FRBの政策姿勢を先読みして、ドル円レートがじりじりとドル高円安が進行して155円後半までに至ったという訳だ。
すでにドル円は38年ぶりの円安水準に移行し、ユーロ円でも1ユーロ172円という未踏の水準まで円安が進んでいる。この間、米長期金利は、少し低下しているから、円独歩安という展開なのだ。
強まる為替介入への警戒感 ~1ドル155円を突破、さらに進むのか?
また、日本では4月末から大型連休を控えている。日本市場が閉まっている時期に、投機的な円安が進むかもしれないという思惑がある。だからこそ、日本政府は、今のタイミングで円安の思惑にくさびを打ち込んでおきたいと考えるだろう。それが、筆者が為替介入はいつあってもおかしくないと感じる理由だ。
ドル円レートが一時1ドル161円を突破した(図表1)。米国では、大統領選挙候補者のテレビ討論が行われている最中であった。トランプ候補とバイデン大統領は、どちらが優勢かは見極めづらい印象であったが、思惑によって為替が動いたかたちである。
やめていたFX、「勝負」に出たら為替介入 溶けていく個人マネー
財務省は、6月27日~7月29日の1カ月間に総額で5兆5348億円の介入をしたと7月末に公表したが、詳細は明らかにしていなかった。
これとは別の基準、例えば、この円ドル名目為替レートを日米二国間
7月11日の米では、1ドル=161円台だったが突如、約4円も急騰した。翌12日も1円50銭ほど円高に振れ、市場では、政府とが為替介入をしたとの見方が出ていた。
の物価指数で調整し購買力でみた為替レートである「(円ドル)実質為替レー
では、為替介入が実施されて、それが高い有効性を発揮するのだろうか。2022年9月22日の介入のときは、1ドル145円を突破して、2.8兆円規模のドル売り介入を行った。円安はそこでは止まらずに、10月に150円まで行く。2度の追加介入(10月21・24日の2回で6.3兆円)を政府が行って、何とか流れを止めた経緯がある。1度の介入で為替レートの流れを変えることは容易ではない。通貨当局は、今回も持久戦を厭わない構えで臨まなくてはいけないだろう。
ドル売り/円買い介入、 7月11日に3.1兆円・12日に2.3兆円=財務省
11日の介入額は、円買いの一日の額としては過去4番目の大きさになる。日米の金利差を要因とした近年の円安進行を受けて、政府は2022年10月21日に5.6兆円、今年4月29日に5.9兆円などと、大規模な介入を重ねている。
一時1ドル=153円台 政府・日銀による市場介入への警戒感も | NHK
は8日、急速なを抑えるため7月に実施したについて、同月11日に3兆1678億円、翌12日に2兆3670億円だったと詳細を公表した。2日連続で総額5.5兆円を超す規模のドル売り円買い介入に動いていたことが明らかになった。
円が対ドルで一段安、157円台後半-口先介入誘う水準と野村証券
その一方で、為替介入を待ち構えている人もいる。為替介入が行われたとき、一旦円高に振れたタイミングで、逆に円売り・ドル買いの売買を仕掛けようという人達だ。介入の効果が限定的だという読み筋で、為替が再び円安に振れる可能性に賭ける投機的な思惑である。そうした投機的行動があるときは、自己実現的に為替介入は効きにくくなりそうだ。だから、政府も介入を1回では終わらせず、何度か繰り返さざるを得ない。
外国為替相場の安定のために行う為替介入等の原資として外国為替資金特別 ..
もっとも、通貨当局が実際に介入に踏み切るまでは現時点では距離があるとの見方もある。ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長もその一人で、160円を超える円安にならなければ、介入は実施されないと予想する。
毎月末の残高(ドル建て)を翌月上旬に対外公表しています。 調査の方法
原因は、予想される利上げ幅が小さいことにある。次は、政策金利を0.10%から0.25%へと引き上げる。+0.15%ポイントの幅では、日米政策金利差はほとんど縮小しない。円キャリー取引を解消させるにはインパクト不足なのだ。
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りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、「米国の利下げ観測が修正されてくると円売り圧力が強まるリスクがある」とし、そうした環境では特に介入に気を付ける必要があると指摘する。
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円買い介入の実施は、円売りポジションを抱えた投資家に大きな痛手を与えることになる。ブルームバーグの集計によると、日本の通貨当局が2022年から今年前半にかけて実施した過去5回の円買い介入は、平均で円を5円以上押し上げた。
前日に比べ4円程度、円高・ドル安が進む場面もあった。 Advertisement
達観して考えると、目下、為替が円高に振れるような有力材料は見当たらないことも、円安の流れを生み出している。内外金利差は、米長期金利の上昇で広がっている。貿易収支は、赤字が定着している。対日直接投資のように、日本国内に実物投資をしようという動きも、補助金を当てにしたものに限られる。そもそも日本の経済成長率が高くないことは、潜在的に「日本買い」の動機を乏しくしている。ファンダメンタルズは、円高基調ではなく、むしろ円安基調なのだ。
為替介入とは?仕組みや目的、過去の実例を紹介 | 東京スター銀行
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は円買い介入の実施について、「152円を超えるか否かが警戒感の高まるポイントだ」と分析する。市場は15日時点で151円25銭に位置する200日移動平均線を意識しており、こうした節目を超えると円安が加速し、同時に当局の介入警戒感が一層高まる可能性がある。
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円相場は14日に一時1ドル=149円98銭と約2カ月半ぶりの安値を更新し、150円の心理的節目に接近した。8月15日の安値(149円39銭)を超え先安観が強まっている状況だ。日本の通貨当局も為替市場の動きににらみを利かせている。
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米国のインフレ圧力は根強い。半導体サイクルは、いずれ上向く兆しをみせている。雇用統計の非農業部門の雇用者数は、移動平均でみれば、ボトムアウトして上向きに変わりつつある。これで、FRBがFFレートの5.25~5.50%のレンジを12月まで据え置けば、潜在的ドル高圧力が強く働き、日銀の要因で円高に振れる可能性は吸収されてしまう。
財務省は8日、政府、日銀が急速な円安ドル高が進行していた7月11日と12日、2日連続で円買いドル売りの為替介入を実施したと発表した。
外国為替市場で円安が進行し、1ドル=150円突破が迫っていることで円買い介入への警戒感が高まり始めている。
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