人工甘味料のメリットとデメリット 〜栄養士のColumn Vol.119


マルチトール(Maltitol|IUPAC:4-O-α-D-グルコピラノシル-D-グルシトール)は、化学式C12H24O11、モル質量344.31g/mol、非常に水に溶けやすい人工甘味料で、還元麦芽糖とも呼ばれます。水100ml(37℃)に対して200gのマルチトールが溶解します。


WHOが安全性に問題ないとしてきた人工甘味料アスパルテームを「発がん ..

マルチトールは、焙煎した麦芽、チコリの葉、トウモロコシ、じゃがいも、穀物などにも含まれており、天然にも存在する成分です。高温環境下でも安定で、褐変反応(メイラード反応)を起こさないため、お菓子類にも利用されます。

マルチトール(Maltitol)は、化学式C12H24O11、モル質量344.31g/mol、非常に水に溶けやすい天然にも存在する甘味料(糖アルコール)で、遺伝毒性、発がん性、催奇形性などはありませんが、胎児の発育遅延・体重減少を起こす可能性があるため、妊娠中の方はマルチトールの過剰摂取は控えましょう。

・人工甘味料について「ソルビトール」「マルチトール」「スクラロース」「サッカリン ..

“甘みを補う手段として「砂糖の代わりに人工甘味料を使用すること」については、血糖を上げず、摂取カロリーの低減にもつながるなどの。”

長期毒性と発がん性の組み合わせ試験を実施した報告も公開されています。

マルチトール(砂糖の約80%の甘さ); エリスリトール(ぶどう糖発酵甘味料 ..

マルチトールは、糖アルコールに分類される甘味料で、一部人工的、工業的に、天然の食材から抽出されますが、小腸から吸収されにくく、甘味はショ糖の90%程度で、純粋なグルコース(砂糖)の代替品としてかなり安全に利用できます。

マルチトール約87%含有の師範製剤をラットに0.5、1.5、4.5g/㎏ bw/dayの用量で投与。

なお国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。

“人工甘味料を長期的に使うことの安全性については、まだ明確になっていないことも多く、WHOのいう通り「減量や生活習慣病の予防」のために。”

マルチトールに関する現在の科学的証拠では、マルチトールが発がん性を持つという報告はありません。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)や、アメリカの食品医薬品局(FDA)、ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)などの健康および食品安全に関する権威ある機関は、マルチトールの使用を安全と認めています。


オーラルピースに「ソルビトール」「マルチトール」「エリスリトール」「スクラロース ..

2023年5月にWHOの「人工甘味料の使用に関するガイドライン()」が発表されています。また、こちらに関して、 が日本語で書かれています。

カロリーゼロなのに太る? マルチトールって? ダイエットの罠とは

アスパルテームは非糖質甘味料の人工甘味料で、厚生労働省が使用を認めている「指定添加物」に分類されています。人工甘味料の中でも有名で、世界でも100カ国以上に使用が許可されている食品添加物です。これについて人工甘味料「アスパルテーム」に発がん性の“可能性がある”とWHOから発表がありました。 14 July 2023

マルチトールの危険性評価. マルチトールには、基本的に危険性はありません。 マルチトールの1日の安全摂取量:規制なし.

“人工甘味料による肥満・耐糖能障害の発症の機序はいくつか想定されているものの、まだ不明な点が多く、さらなる動物実験やと思われる。”とされています。

[PDF] 食品安全情報(化学物質)No. 16/ 2023(2023. 08. 02)別添

マルチトールは虫歯を防ぐ効果があるとされています。これは、マルチトールが虫歯の原因となる細菌にとって、代謝が難しいからです。つまり、これらの細菌がマルチトールをうまく使えず、エネルギーを得られないため、酸の生成が抑制されます。酸は歯の表面の硬い層(エナメル質)を溶かすことがあるので、作られる酸の量が減ることで、虫歯のリスクが下がるわけです。

マルチトールの安全性試験2次情報を調査した結果、多量摂取により下痢の症状が現れることが報告されていた。 ..

アスパルテームの健康への影響に関する評価が、国際がん研究機関 (IARC) 、WHOおよび国連食糧農業機関 (FAO) の食品添加物合同専門家委員会 (JECFA) により発表されました。IARCは、ヒトにおける発がん性の「限定的なエビデンス」を挙げて、アスパルテームをヒトに対して発がん性がある可能性がある「IARCグループ2B」と分類し、1日摂取許容量を40mg/kg体重と再確認しました。

マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。

アスパルテームは、1980年代以降、ダイエット飲料、チューインガム、ゼラチン、アイスクリーム、ヨーグルトなどの乳製品、朝食用シリアル、歯磨き粉、咳止めやチュアブル ・ ビタミンなどの医薬品など、さまざまな食品 ・ 飲料製品に広く使用されている人工 (化学) 甘味料です。

EFSA(欧州食品安全機関)ではポリグリシトールシロップとマルチトールシロップの ..


既製のお菓子や調味料の多くには甘味料が使われています。
砂糖やはちみつはともかく、カタカナの甘味料って同じような名前のものが多くてよくわからないですよね。
トレハロース、ソルビトール、アスパルテーム・・・

名前は見たことがあるけど実はどんなものか知らないという人が多いと思います。


体に入るもののことはちゃんと知っておきたいものです。
主な甘味料について気になるポイントを見ていきましょう。




甘味料は大きく分けると糖質系甘味料と非糖質系甘味料の2種類があります。
今回は、この図の中でも特によく目にする甘味料について確認していきましょう。


甘味度:砂糖の45%(スッキリとした上品な甘みで後味がない)
用途:和・洋菓子、パン、加工食品
メリット:でんぷんの老化防止や保水性に優れるため、大福やだんごなどのモチモチした食感を保つ。砂糖よりも血糖値の上がり方がゆるやか。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。とうもろこしやじゃがいもが原料となるため、遺伝子組み換えの可能性が高い。

名前はすべて「◯◯◯トール」となっています。
体内で消化されにくいため、体に摂り込むエネルギー量が少なく低カロリーの甘味料として使用されます。
とうもろこしやじゃがいもが原料となるため、遺伝子組み換えの可能性が高いのが難点。




甘味度:砂糖の60〜70%(清涼感のある甘み)
用途:漬物、佃煮、珍味、練り物、和・洋菓子
メリット:虫歯の原因になりにくく、血糖値を上昇させない。食品をしっとりさせたり香りを発散させないはたらきがある。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。

甘味度:砂糖の55〜70%(清涼感のある甘み)
用途:あめ、ガム、落雁、佃煮
メリット:吸湿性がなく、食品の粘着防止効果がある。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。

甘味度:砂糖の70〜80%(砂糖に似たまろやかな甘みで後味がくどくない)
用途:卓上甘味料、飲料、あめ、ガムや健康食品のコーティング、錠菓、医薬用タブレット
メリット:虫歯の原因になりにくい。血糖値をほとんど上昇させない。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。



甘味度:砂糖と同等(水に溶けやすく、口に入れると強い清涼感がある)
用途:あめ、ガム、錠菓、歯みがき剤
メリット:虫歯の原因にならず、虫歯菌の増殖を抑制する。虫歯を予防する。血糖値を上昇させない。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。

甘味度:砂糖の75%(あっさりした甘みで後を引かない)
用途:清涼飲料水、卓上甘味料、健康食品
メリット:カロリーがとても低く、「0kcal/g」「ノンカロリー」と表示できる。血糖値を上昇させない。虫歯の原因になりにくい。糖アルコールの中では最もお腹がゆるくなりにくい。
デメリット:多量摂取するとおなかがゆるくなることがある。

甘味度:砂糖の10〜300倍(清涼感のある甘み)
用途:漬物、佃煮、珍味、練り物、飲料、ヨーグルト、氷菓
メリット:虫歯の原因にならない。
デメリット:吐き気やむかつきを引き起こすこともある。

砂糖に比べ数百倍とはるかに強い甘みを持つ。
使用量が少なくて済むため結果的に低カロリーとなり、糖質オフ・カロリーオフの食品に使用される。


※水に溶けにくいため、サッカリンナトリウム(サッカリンNa)の形で使用されることが多い。

甘味度:砂糖の500倍
用途:漬物、佃煮、練り物、飲料、ガム、アイスクリーム、あんこ、歯みがき剤
メリット:血糖値を上げない。
デメリット:発がん性、胃酸過多、吐き気、めまい、しびれ、不妊、糖尿病、アレルギーなどの原因として疑われている。


甘味度:砂糖の200倍(砂糖に似たスッキリとした甘み)
用途:飲料、卓上甘味料、あめ、ガム、錠菓
メリット:虫歯の原因になりにくい。
デメリット:フェニルケトン尿症の患者は代謝することができない。発がん性、催奇形性、頭痛、めまい、てんかん、うつ、ADHD、体重増加、アルツハイマー、多発性硬化症などの原因として疑われている。

甘味度:砂糖の200倍(後引きのない甘み。特有の苦みを感じることもある。濃度が低いほど甘味度が高くなるのが特徴)
用途:飲料、あめ、ガム、錠菓、漬物
メリット:虫歯の原因にならない。血糖値を上げない。
デメリット:発がん性、吐き気、頭痛、うつ、肝臓障害、腎臓障害などの原因として疑われている。

甘味度:砂糖の600倍(砂糖に似た甘みで後味がない)
用途:スポーツドリンク、コーヒー飲料、製菓、製パン、デザート
メリット:虫歯の原因にならない。
デメリット:吐き気、頭痛、偏頭痛、めまい、耳鳴り、発疹、にきび、歯肉出血、舌や唇の腫れ、過敏性腸症候群、リーキーガット症候群、うつなどの原因として疑われている。



トレハロース、糖アルコールはそれほど危険度の高いものではありませんが、原材料に遺伝子組み換え作物が含まれている可能性を考えると日常的に摂ることはおすすめできません。人工甘味料については発がん性をはじめとした多くの健康への影響が指摘されていることを考慮するとできる限り避けたいものです。

共通するのは、いずれも安価な原材料で工業的に生産されているということ。
安くて便利なものにはそれ相応のリスクがついて回ることを覚えておきましょう。

かつては使用されていたけれど現在は使用禁止となっている甘味料があるのをご存じですか?
参考までにご紹介しますね。

砂糖の約30〜50倍の甘みを持つ甘味料で、サイクラミン酸ナトリウムとも呼ばれます。
他の人工甘味料と異なり、砂糖に近いスッキリとした味わいだと言われています。
日本では1956年(昭和31年)に食品添加物として指定され、粉末ジュースや清涼飲料水に使用されていました。

しかしFDA(米国食品医薬品局)の調査により発がん性が確認され、1969年(昭和44年)にアメリカで使用禁止に。
同年、日本でもアメリカの後を追うようにチクロの使用が禁止されました。この出来事はチクロショックと呼ばれています。

当時、キリンやコカコーラ社では元々チクロは使っていなかったものの、消費者が「清涼飲料水=チクロ」というイメージを持っていたため「当社ではチクロは使用していません」と周知するキャンペーンが行われたそうです。

尚、ヨーロッパやカナダ、中国など諸外国では現在も使用されていることがあります。
英語では「Sodium cyclamate」と表示されるので、海外で清涼飲料水を飲む時は注意しましょう。



砂糖の約250倍の甘みを持つ人工甘味料。
1946年(昭和21年)に認可されました。

1966年(昭和41年)、島根県安来市の農家でズルチンによる食中毒が発生。
原因はズルチンを大量に入れた自家製のあんつけ餅で、喫食した30分後に6人が頭痛、嘔吐、手足のしびれを訴える。うち1名が死亡。

1967年(昭和42年)には幼児・小児用の食品への使用が禁止され、使用を認められた品目についても基準を厳格化。
翌1968年(昭和43年)には食品への使用が全面禁止されました。



加工食品に含まれるすべての甘味料が危険とは言いませんが、工業的に生産された不自然なものであることは確かです。
私個人の基準としては、一般家庭の台所にない原材料は摂らないようにしています。
たとえば、甘味料の中でも砂糖やはちみつなら家でも使うので多少はOKですが、糖アルコールや人工甘味料は避けます。

食べるものはできる限り手作りを。
手作りであれば、使う素材をすべて自分で選べますからね。(甘味料だけでなく塩や油も)


ちょっとお値段の張る食材を買っても、加工食品を買うよりは安く上がります。

素材にこだわるとお金がかかると思われがちですが、外食を減らせばその分は捻出できます。
甘味料ならランチ1回分で以下のようなものが買えますよ!

私は本みりんや生はちみつを使っています。
パウンドケーキを作る時、砂糖の代わりにみりんを入れるとブランデーケーキみたいでおいしいですよ!

みなさんの食卓がより安全でおいしく、楽しいものになりますように。


炭水化物・糖質・糖類の違いは?糖類ゼロでも糖質を含む理由も解説

人工甘味料は味覚刺激や最近では腸内細菌の変化を介して糖代謝に影響すると考えられています。

人工甘味料として利用されています。

al., 1996)

糖アルコールを含む甘味料摂取の消化管耐性を評価するために二重盲検無作為クロスオーバー試験を行った。12例の健常人に彼らのいつもの摂取パターンをシュミレーションするために、マルチトールまたは白糖を時々(どちらかの糖を週に1度)または定期的に(第2期:9日間毎日)のどちらかで終日摂取させた。どちらの摂取パターンにおいても1日の糖摂取量は、下痢または重篤な消化管症状が発現するまで増量し、その量を閾値とした。第1期(時々摂取)では、平均閾値はマルチトールで92±6 g、白糖で106±4 gであった (P=0.059) 。消化器症状の平均重篤度は、それぞれ1.1と1.3であった(P=NS)。下痢はそれぞれ6例、1例にみられた(P=0.035)。第2期(定期的摂取)では、平均閾値はマルチトールで93+/-9 g、白糖で113+/-7 gであった(P=0.008)。消化器症状の平均重篤度は、それぞれ1.7と1.2であった(P=NS)。しかしながら、下痢はそれぞれ8例と3例にみられた(P=0.04)。マルチトールと白糖の閾値は、2つの期間のあいだで違いはみられなかった。我々の試験条件下では、白糖と比較すると、①マルチトールの時々摂取または定期的摂取は重篤な消化器症状をひきおこさなかった。②マルチトール摂取の両パターンにおいて、下痢の発現率は高かったが、マルチトールの普段の使用量よりもかなりの高用量でのみみられていた。③マルチトールは9日間の摂取期間後に腸内細菌叢の適応現象は引き起こさなかった。7) (Ruskone-Fourmestraux A, et al., 2003)

20例の健常人(男性10例、女性10例)及び6例の糖尿病患者(男性3例、女性3例)にマルチトールまたはソルビトール0.8g/kgを摂取させた。マルチトールとソルビトールによりそれぞれ75及び95%に下痢が発現した。ほとんどの被験者の便は水様便であった。摂取後2時間のそれぞれの甘味料の血中濃度は、0.3mg/dLよりも低かった。摂取後2時間のNa、K、Cl、BUN、クルコース、インスリンの血中濃度に変化はみられなかった。8) (Koizumi N et al., 1983)


この資料の一部は食品・医薬品共用添加物の安全性研究の成果を引用した.


引用文献
1) CONZ, A.

薬剤師が解説!人工甘味料の種類と用途、危険性やデメリット

国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物の安全性評価を公表していますが、これらの糖アルコールは、極めて安全性が高いとされています。妊婦にも大丈夫です。糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。