円安急進の可能性も ドル円に節目か 日米金融政策の見通しは?


米ドル(USD)は世界最大の取引量を誇る「基軸通貨」です。「アメリカドル」、「USドル」とも呼ばれ、世界中で貿易や金融取引に広く使われている決済通貨であり、流動性が非常に高く安定しています。その影響力は大きく、米国が利上げ局面を迎えるとドル高を背景にした新興国不安が強まるほどです。報道などから伝わる情報も豊富にあり、FX取引をする際にも多くの判断材料を得ることができるでしょう。
また、戦争や災害、世界的な経済危機などが発生した際に、流動性の高い米ドルの需要が高まることがあります。これを「有事のドル買い」と呼びます。もっとも、米国の地政学リスクが意識されるような場面ではドルが売られるケースもあり、常に「有事のドル買い」が起きるわけではないですが、通貨として米ドルの影響力は非常に大きいと言えます。


[PDF] 今後の為替相場の見通し 図表1. ドル円 図表2. 日米金利差

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が54.6%で最も多かった。次いで「円」が23.5%、以下「トルコリラ(8.8%)」、「豪ドル(3.2%)」、「メキシコペソ(2.6%)」、「ユーロ(1.8%)」、「英ポンド(1.4%)」と続いた。

米ドル/円は国内のFX取引で圧倒的な人気を誇り、通貨ペア別の取引量は10年近くNo.1となっています。この人気に支えられた豊富な取引による非常に高い流動性と、経済指標などの関連情報を入手しやすい点が最大の特徴であり、国内の投資家から支持される所以でしょう。また、米ドル/円には東京時間の値動きにも特徴があります。日本時間9時55分に国内金融機関がその日に提示する仲値(対顧客の基準レート、TTM)が決定するため、この時間に向けて取引が活発になる傾向があります。この基準レートは輸出入業者等のいわゆる実需筋で利用され、特に毎月5・10日の五十日(ゴトウビ)には輸入業者の決済(ドル買い需要)が多いことから、仲値に向けて円安ドル高が進みやすく、仲値が決まり10時を過ぎると比較的穏やかな推移になりやすいといわれています。

【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想

調査期間前後のポンド/円相場は、194円台から190円台へ4円程度下落した。米国のトランプ次期大統領が中国・メキシコ・カナダに関税を課す方針を示したことから世界的な貿易摩擦を巡る懸念が高まったほか、ウクライナ情勢が悪化する中で欧州経済の先行きに不透明感が広がった。そうした中で、英ポンド弱気・円強気の見通しに傾く個人投資家が増えたと考えられる。

近年の米国経済はコロナショックからの回復軌道の中、ウクライナ情勢緊迫化による資源・エネルギー価格高騰が重なり、急速な物価高圧力への対応を迫られました。金融政策を運営するFRBはインフレ抑制を最優先事項に掲げ、2022年3月から異例のスピードかつ大幅な利上げを実施し、2023年7月には5.50%※まで上昇、現在まで同水準を据え置いています。
インフレ率を示す直近2024年5月の消費者物価指数(CPI)は前年比で+3.3%、食料品やエネルギーを除いたコア指数は+3.4%で、いずれもピークアウトし落ち着きを取り戻していますが、依然としてFRBのインフレ目標である2%には遠い状況です。パウエルFRB議長も、同年6月のFOMCにおいて「(インフレ目標達成には、)良好なデータをさらに確認する必要がある」と引き続き慎重な姿勢を示しているほか、米国経済指標も、景気・物価・雇用といった全般で底堅さをみせている状況です。これらを背景に、2024年3月時点で、2024年中合計3回となっていた利下げ予想は、6月のFOMC後に合計1回まで後退しています。今後のデータ次第で利下げ見通しに変化があるかもしれませんが日米の金利差が大きく縮小することはなさそうです。
※フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標5.25~5.50%の上限値

▫ 本レポートでは、資源関連株式を取り巻く投資環境や今後の見通しなどについてご紹介させて頂きます。 ..

問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が38.2%と最も多かった。次いで「ユーロ」が20.7%、さらに「米ドル(20.0%)」、「メキシコペソ(6.5%)」、「中国人民元(5.1%)」、「トルコリラ(3.0%)」、「英ポンド(2.8%)」、と続いた。

2024年後半にかけての米ドル/円は、日米の金融政策や米国の大統領選などの思惑に絡んだ相場が予想されます。引き続きボラティリティが高い局面は続きそうなため、活発な値動きを味方につけられれば、トレードチャンスは多いと言えそうです。
特に材料となりそうなのが、11月に予定されている米大統領選でしょう。現時点では民主党候補で現職のバイデン大統領と、共和党候補のトランプ前大統領の一騎打ちが見通されています。そんな中、トランプ氏が大統領に再選される、いわゆる「もしトラ」が実現した場合、トランプ氏の政策は場当たり的で読めない部分も多いため、為替相場へは想定外の波乱を起こすかもしれません。
考えられるリスクをいくつか検討してみると、一つはインフレ加速リスクです。米国ファーストの理念から景気刺激的な政策をとれば、インフレ再燃で金利上昇圧力がかかり、結果ドル高方面の動きを強めるシナリオは想定されるでしょう。また、政治リスクにも注意が必要です。緊迫化した中東の地政学リスクに対して、どのような舵取りをするのかは重要で、仮にウクライナやガザの紛争から手を引くことを示唆すれば、世界情勢に混乱を巻き起こし、金融市場へのショックも免れないでしょう。

2024年末のドル円予想は157~159円台が最多! 2024年11月30日

2024年6月に実施された連邦公開市場委員会(FOMC)にて、FRBは7会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。声明文やパウエルFRB議長のスタンスをみると、インフレ目標達成に向けて緩やかな進捗があることは認めつつも、政策金利は高水準を維持して、引き締め的な金融環境を続けていく姿勢を崩していません。
最大の焦点とされたドットチャート(FOMCメンバーによる政策金利の見通し)では、19名のメンバーの内、4名が年内据え置き、7名が1回の利下げ、8名が2回の利下げを予想し、2024年末の政策金利予想中央値は5.125%となっています。同年3月時点と比較すると、年内利下げ回数の予想は3回から1回まで後ずれしている状況です。そのため、米国の政策見通しは今後の経済指標(データ)次第ではありますが、FRBによる引き締め的な金融政策が維持される公算が高い点を踏まえると、ドル需要は引き続き高く、対円でもドル高圧力は根強いと考えられるでしょう。

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、29.6%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は30.4%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は▼0.8%ポイントとなり、前月の△10.2%ポイントから弱気を示すマイナスに転じた。


急速に進む円安修正~今後のシナリオを展望する | ニッセイ基礎研究所

労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する雇用指標で重要度が高いです。特に非農業部門雇用者数(Nonfarm Payrolls、NFP)と失業率、平均時給が注目されます。FRBの政策の参考指標となるため、将来への期待感からドル相場に大きな影響を与えます。事前予想と発表数値が大きく乖離することがあり、この性質から発表直後は値動きが大きく動く傾向があります。

ドル円予想 | 植田日銀総裁の講演待ち | 今日のアナリストレポート

調査期間前後の豪ドル/円相場は、99円台へ下落した。トランプ次期米大統領が中国からの輸入品に追加関税を課すとSNSで表明したことで米中貿易摩擦への警戒感が高まった。中国と交易関係の深い豪州にも影響が及ぶ可能性があるとして豪ドル売りで反応。こうしたことから豪ドル高・円安と見る向きが減少したものと思われる。

1ドル160円に逆戻りするリスクは?~マーケット・カルテ11月号

また、昨日厚生労働省が発表した昨年11月の「所定内給与」は前年同月比で「2.7%増」と、1992年10月以来の高水準でした。今回の結果は、賃金と物価の好循環が一段と強まっていくとする日銀の見方と整合するもので、今月の決定会合での追加利上げの可能性をやや高めることになります。ただ、市場のコンセンサスは「利上げ見送り」となっています。筆者は0.25%の利上げに組みしていますが、円安が大きく進んでいることで、ここである程度円安阻止への強い姿勢を見せる必要があるのと、足元の日本の長期金利の上昇が利上げを示唆していると考えています。

2023年12月をもって、為替レポートの更新を終了いたしました。長らくご愛顧いただきありがとうございました。

その理由を自由記述形式でたずねたところ、最も多かった「落ち着いたのを確認してからドル買い・円売り」とした向きからは「トランプ次期大統領の影響でドル高なので押し目になる」、「介入でトレンドは変えられない」などの回答があった。次に多かった「介入に追随してドル売り・円買い」とした向きからは「(これまでの経緯から)5円程度落ちると思われるので追随したい」との声や「最初は介入に追随、止まればドル買い」との声が出ていた。3番目に多かった「当分の間は取引しない」とした向きからは「値動きが激しくなりすぎて手が出せない」などの声が挙がった。それぞれの取引スタイルによって、為替介入への対応も異なるということだろう。

【日経】円ドル相場・人民元相場など為替の最新ニュース、債券市場の最新動向をお届けします。

昨年12月29日に100歳で亡くなったジミー・カーター元大統領の国葬がワシントン大聖堂で営まれました。国葬にはバイデン大統領に加え、次期大統領のトランプ氏、元大統領のオバマ氏も参列しました、ブルームバーグの記事では、オバマ氏とトランプ氏が隣り合わせで座り、オバマ氏がトランプ氏に何か説明している写真もありました。そして、弔辞を行ったバイデン氏は、「ジミー・カーターの友情は、人格の素晴らしさというものが肩書きや権力よりも大切だということを教えてくれた」と述べ、最後に「権力の乱用は最大の罪だ」と読みました。バイデン氏の、大統領としての最後の痛烈な批判をトランプ氏に宛てたものと受け止めました。

げとの組み合わせはドル円の下押し圧力となろう。ただし、11 月末のドル

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、28.9%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は23.7%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△5.2%ポイントとなり、前月の△18.4%ポイントからプラス幅が縮小した。

裏切り続ける円、25年こそ反発とストラテジスト予想-金利差縮小

日本銀行の政策委員会が金融政策を決定する会合で、年8回の日程で開催されます。政策委員会は日銀総裁、副総裁2名、審議委員6名の計9名で構成され、多数決で政策を決定します。また、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の会合後に経済・物価情勢の展望(展望レポート)が公表されます。会合後には日銀総裁の記者会見が行われ、声明文とともに非常に注目度が高いです。

円高見通しが2年連続で外れる公算が大きい為替市場では、3度目の正直が2025年にはやってくるとストラテジストらはみている。

日本銀行が3ヶ月ごとに発表する景況感と先行き(今後3ヶ月の見通し)景気に関する指標です。全国約1万社の民間企業経営者を対象にアンケート調査を実施し、調査結果を基に製造業・非製造業の業況判断指数(DI)と先行きがそれぞれ算出されます。調査から公表までの期間が比較的短いため、速報性が高く、特に業況判断指数(DI)が注目されます。海外では「TANKAN」の名称で知られています。

ドル円は 152 円手前まで上昇。1 月 1 日に発生した能登半島地震の影響で、日銀が復興支援のため

長きにわたりFX取引の中心的な存在である米ドル/円、直近は国内店頭FXにおける月間の売買額が1,000兆円を超えるなど活発な取引が目立ちます。みんなのFXでは、取引コストにあたるスプレッドを業界最狭水準に引き下げ、お取引しやすい環境をご提供しています。また金利差にあたるスワップポイントも、常に高水準を提供できるよう、カバー取引先との交渉を重ねています。米国の金利が上昇した影響により、米ドル/円を買いで保有して受け取ることができるスワップポイントも近年では高い水準にあることから、長期保有も一つの戦略になります。
もちろん、みんなのFXでは1,000通貨から取引が可能で、約6,200円の証拠金を預けることで取引を始められます。(1米ドル=155円で計算した場合)FX取引を始めたばかりの方も、少ない資金から取引が始められます。ぜひ、みんなのFXで米ドル/円の取引をご検討ください!

先週ドル/円相場が一時約4カ月ぶりの156円台と、日銀が7月に25ベーシスポイント(bp)の利上げを行う前の水準まで上昇した。

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、28.1%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は36.1%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼8.0%ポイントとなり、前月の▼3.3%ポイントからマイナス幅がやや拡大した。

東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)

そのようななか、人工知能(AI)を用いたドル円レート予測手法が注目を集めている。AIは膨大な過去データや経済指標、ニュース情報などを学習し、それらの複雑な相関関係を見出すことで予測精度を高めている。また、AIによる予測は、人間の感情に左右されることなく客観的かつ迅速に行われるため、市場参加者の意思決定をサポートする有力なツールとして期待が高まっている。一方で、その仕組みは非常に複雑であるため、予測結果の解釈や活用については確立されていない部分も多い。さらに、AIによる予測は過去のデータにもとづいているため、予期せぬイベントや市場の変化に対応することが難しいという指摘もある。

日本時間19日に相次ぐ、FRBと日銀の金融政策発表はドル円相場の節目となりえる。日銀が利上げを見送れば、円安急進の可能性もある。

本レポートでは、最新のAI技術を活用し、トランプ政権下でのドル円相場の行方を分析する。具体的には、経済指標、金融政策、地政学的リスクなど、様々な要因を考慮しながら、複数のシナリオにもとづきドル円相場を予測する。そしてこの分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな知見を得ることを試みる。