米ドル円相場は日米金利差に対する感応度が高く、米国の金利上昇時には円安米ドル高となることが多いと言われます。


日銀の姿勢が変化してきたことで、日本の金利が上昇し、日米金利差がやや縮小しましたが、図1にあるように、そもそも5月13日時点の日米金利差は10年国債利回りで3.5%程度、2年国債利回りで4.5%程度と、大幅に開いているため、日本の金利の小幅な動きではこの金利差に与える影響は軽微です。実際、ドル円レートも一瞬は円高に振れたものの、すぐに円安傾向へ戻ってしまいました。


円相場 値下がり 米長期金利上昇受け日米の金利差拡大との見方 | NHK

第3は、金利差の変化が為替に与える影響も状況によって変化する点です。下段右の図の回帰係数は日米金利差が1%ポイント(pt)変化した場合に、ドル円相場はいくら変化するかを推計したものです(直近60ヶ月間のローリング推計)。足元で見れば日米金利差が1%pt縮小すれば、ドル円相場は12円程度円高となるとの結果になります。ただし、過去の推移を見ると、大きく上下に振幅していることが分かります。

(注1)日米金利差は米国5年国債利回り―日本5年国債利回り。相関係数(期間は60ヶ月)は2種類のデータの関連の強さを示し、値は+1から-1の範囲となり、+1に近づくと正の相関が強くなり、ゼロは相関が見られない。回帰係数(単回帰分析における傾き)はY=aX+bの回帰式においてXが1単位増えた時のYの変化分を示す。右軸は見易さのため表示を制限している。
(注2)データは月次で1985年12月末から2024年8月末。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

【為替】金利差との関係が復活した米ドル/円 | 吉田恒の為替デイリー

市場では推計式などを用いて「日米金利差が〇%になればドル円相場は▲円になる」といった試算を目にすることがありますが、これはあくまでも「日米金利差とドル円相場の関係がこれまでと変わらなければ」という注釈付きです。この点を踏まえた上で計算すると、足元の3.0%ptの日米5年国債金利差に対応するドル円レートは1ドル=136円29銭との結果になります。

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【ドル円相場】156円台に下落、4カ月ぶり水準 日米金利差の拡大意識

日米金利差を背景とした円安ドル高の流れが変化するとしたら、日米中銀の金融政策スタンスにかかっているでしょう。日銀もFRBも「2%の物価目標を持続的に達成できるかどうか自信がない」と示しているのですが、日銀は物価下振れを、FRBは物価上振れを警戒しており、政策方針が真逆です。それがこの金利差に繋がっているのですが、日米の物価動向次第では、金融政策姿勢が変化し金利差が縮小する可能性があります。

今年3月に日銀はマイナス金利を解除し、量的・質的金融緩和政策を終了しましたが、金融市場に過度の影響を与えないよう、国債買入れオペはそれまでと同様の規模で継続する方針を決定していました。しかし、その買入れ方針にはやや幅が設けられていたため、その範囲内で国債購入額を減らしたのです。これを受けて5月13日に、10年国債利回りは4月末よりも0.07%高い0.94%へ、2年国債利回りも同じく0.04%高い0.33%へ上昇しました。

円相場 一時1ドル=144円半ばに 日米の金利差縮小の見方後退で | NHK

しかし、ドル円レートは2023年の年平均がほぼ140円、2024年は5月13日までの平均がほぼ150円と、円安による輸入物価の上昇圧力は高まっています。5月8日に植田総裁は「急速かつ一方的な円安、日本経済にマイナスであり望ましくない」と発言し、それまで為替レートへの直接的な評価を避けていた姿勢を変化させました。

もちろん、金融政策運営は経済・物価・金融環境など全般を見て判断するため、円安だけで日銀が追加利上げや国債買入れ縮小を決定するわけではありません。また、日銀の行動だけでは日米金利差が大幅に縮小する可能性は低く、FRBの利下げ観測が高まるかどうかが重要です。


※ 2021 年 11 月以降、ドル円と日米実質金利差の連動性が高まった。昨年 12 月の黒田日銀体制下での

第2は、日米金利差(米国金利-日本金利)の拡大=ドル高円安、日米金利差の縮小=ドル安円高との関係が常に成り立つわけではないという点です。金利差と為替にどの程度の相関があるかは相関係数によって測定することができます。相関係数は+1から-1までの値をとり、+1に近ければ正の相関関係が強いこと、-1に近ければ負の相関関係が強いことを表します。下図の赤線で示したように、日米金利差とドル円相場の関係は、通常想定される相対的に米国の金利が高くなればドル高になるとの関係と、状況によっては真逆となることもあります。このような場合は、なぜ金利差が逆に作用しているのか、あるいは金利差とは全く関係のない要因が作用しているのではないか、といった点を見極める必要があります。

日米の金利差拡大でFXに注目!米ドル/円スワップポイント増加中!

《本資料は執筆者の見解を記したものであり、当社としての見通しとは必ずしも一致しません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、正確性、完全性を全面的に保証するものではありません。また、作成時点で入手可能なデータに基づき経済・金融情報を提供するものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようにお願い申し上げます。》

為替の予想をする際に「金利差」ってどう関係してくるの ? | マネー

(注)データは日次で、直近値は2024年9月20日。日米金利差は米国5年国債利回り―日本5年国債利回り。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

円安加速一時1ドル=158円台に迫る 日米の金利差拡大を ..

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金利差が縮まらないとの見方から円が売られました。 三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリストは「158円 ..

米ドル/円と日米金利差の関係は、2024年に入ってから微妙に崩れ始めた。特に5月以降、両者のかい離は大きく広がった。米ドル/円は7月初めにかけて161円まで上昇したが、これは日米10年債利回り米ドル優位・円劣位が大きく縮小する中で起こったものだった(図表1参照)。

日本円と外国通貨との金利差に着目したFX投資 -リスクを抑えた中・長期投資のススメ- ..

この金利差変化からのかい離が広がった5月以降の米ドル高・円安をうまく説明出来そうなのが、投機筋の米ドル買い・円売りだった。CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、7月初めにかけて売り越し(米ドル買い越し)が過去最高規模に拡大したが、それは161円までの米ドル高・円安と強く相関したものだった(図表2参照)。

/円は基本的には日米金利差と連動するが、金利差以上に株価と連動する場合、または「悪い金利 ..

第1は、状況に応じてドル円相場と連動性の高い金利差の年限が変化する点です。通常、「金利のある世界」ではドル円相場は3ヶ月から2年程度までの短期金利差と高い連動性を有します。一方で短期金利がゼロ%に張り付くような「金利のない世界」では、10年金利のようなより長期の金利差と高い連動性を有します。下図は日米の5年国債金利差とドル円相場を並べて描いたものです。2000年代半ばから2013年にかけてドル円相場は、日米5年金利差と高い連動性をもって推移していた様子が確認できます。

最初にドル円と金利差の関係がシフトしたのは、2022 年 11

日米金利差米ドル優位・円劣位は5月以降縮小に向かったが、それでも10年債利回り差で見ると3%以上と大幅だった。短期売買を行う投機筋からすると、円買いに不利で円売りに有利なことは明らかだった。

円が対ドル150円台に下落、2カ月半ぶり安値-日米金利差を意識

以上の理由から、絶対的に大幅な金利差円劣位を拠り所とした投機筋の円売りが急拡大したことで、金利差変化からかい離した円安が広がったと考えられた。その意味では、この当時の米ドル/円の変動は投機筋の円売り次第というかなり異例の状況にあったと言えるだろう。

円高圧力強まるか FOMCで利下げ決定へ 日米金利差は縮小見通し

「円高」「円安」「金利上昇」「金利低下」という言葉や、その意味については多くの人が知っているものだが、その関係性については意外と知らないことが多い。金融政策や財政政策を理解するうえでは、言葉そのものより関係性の理解が大前提となる。言葉だけしか知らない人は、実は経済ニュースにはついていけていないのだ。

【2024年10月4日】日米金利差との相関復活 米ドル/円の行方(西田明弘) · Comments2.

ドル円相場は伝統的に日米金利差と連動性が高いことが知られています。特に日米金融政策の行方が市場の関心を集めているような状況下では、ドル円相場の先行きを予想する上で日米金利差が注目を集めやすくなります。ただし、日米金利差とドル円相場の関係から為替相場の行方を予測する上では、以下の諸点に注意する必要があります。

円高一時144円台 円に買われやすさ 日米金利差縮小見通しは継続か

7月初めに161円で円安が一段落すると、その後の約1ヶ月で、141円まで約20円もの急激な円高の動きが起こった。この局面では過去最高規模に達した投機筋の円売り越しが一気に消滅し、それは米ドル安・円高とかなり相関性の高いものだった。それまでの円安が投機円売り次第だったことを考えると、その後の急激な円高が投機筋の急激な円買い戻し次第となったのは、まさに辻褄の合うものではないか。

日米金利差の拡大見込みで一時157円20銭台に上伸(みんかぶ)

こうした動きを経て、7月以降、米ドル/円は日米金利差との相関関係が復活してきた。7月の161円から、8月にかけて150円を大きく割れて急落した米ドル/円の動きは、日米金利差米ドル優位・円劣位縮小と基本的に連動したものだった(図表3参照)。

本稿では、過去25年間に日本銀行が実施してきた各種の非伝統的金融緩和政策を中心に、名目為替レート(ドル/円 ..

日米10年債利回り差米ドル優位が3%を大きく下回り始め、金利差円劣位が円売りに圧倒的に有利という状況が徐々に変わり始めた。こうした中で、金利差変化とかい離して投機筋の円売りが円安を主導する異例の状況も幕を下ろしたということだろう。