日本の低金利への不満と、円安による円資産価値の下落への警戒感から、日本よりも高い金利を求めた外貨建て投資のニーズは根強いだろう。
みずほ証は25年末までに130円まで円高が進むと予測。これは、23年初め以来の水準だ。野村証券やサクソ・マーケッツは140円まで上昇するとの見方を示す。サクソのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は米経済が減速すればFRBの利下げを促す可能性があると指摘する。
トランプ氏、34年ぶり円安ドル高を強く警戒「米国にとって大惨事」
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストと三原正義マーケットアナリストはリポートで、米国では25年末にかけてドットチャート通りの利下げが続くと見込まれる半面、日銀は半年に1回程度の利上げを続け、日米金利差は縮小に向かうと予想した。トランプ次期米大統領の政策全てがドル高につながるわけはないと言う。
来年の円高予想は足元の状況とは対照的だ。今月発表の通貨ポジションデータによると、11月5日の米大統領選直前には8月以来、最も円に対し弱気となり、トランプ氏の再選後にも円ショートを一段と積み増した。さらに貿易関税、減税、規制緩和を主張するトランプ氏の政策で利益を得ようとする「トランプトレード」が活発で、ドルは通貨バスケットに対し22年11月以来、2年ぶりの高値を付けた。円相場は18日午前10時34分現在、154円台後半で推移している。
【FX】ライブ配信 円安株高の背景…このトレンドいつまで続く?
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストも、目先はドル高進行のリスクがあっても、25年は円高になると予想する1人だ。トランプ政権下でもFRBや他の主要中央銀行は金融緩和を進めるとし、中国を主なターゲットとするトランプ氏の関税政策も他の通貨と比較した円相場の下支え要因になると読む。
米大統領選で減税や積極財政を訴えたトランプ氏が返り咲いたことを受け、金融市場はリスクを積極的に取る姿勢が強まり、円安・株高の「トランプ相場」となった。ただ、「米国第一」を唱えるトランプ氏が関税強化などを実行に移せば、世界経済は不透明感が強まり、市場の先行きは読みにくくなる。
「実需の円売り」が影を潜める中、日米の金利はどう動くか。2025年の為替相場を展望する後編。
市場では投票日の11月5日より前から、金利高、ドル高、株高が同時に起きる「トランプ・トレード」が進行。米経済の堅調さもあり、10月初めに3・7%台だった米国10年債利回りは足元で4・4%台まで上昇。ドル円相場は約1カ月で10円以上、円安・ドル高が進んでいた。
また、経済成長率の低い日本から、高い米国などへ資本が流出し続けている構造的な問題も円高が進みにくい要因と一部の市場関係者は受け止めている。7-9月の直接投資と証券投資の流出額は、同四半期に過去最高の8兆9700億円となった経常黒字額を上回った。
【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、インフレ率も加味した日本の実質金利が米国に比べ圧倒的に低いため、ドル安・円高は続かないとし、25年末のドル・円レートの予想を154円50銭としている。
円高が他の市場を動かすことは必至で、輸出企業の業績懸念につながる日本株市場には重しとなる半面、潤沢な資金を持つ日本企業の海外企業買収が増えるかもしれない。外国の株式や債券に向かっていた投資資金が国内に回帰する可能性もある。
最近ドル高というニュースでよく聞かれます。対円に関しても、日本サイドが為替介入を行うほどドル高が進んでいます。
この政治的転換を受けて、為替市場は早くも反応を示している。東京外国為替市場では、トランプ氏の勝利を受けて急激な円安ドル高が進行し、11月6日には1ドル151円台から一時154円台前半まで上昇、約3カ月ぶりの円安水準を記録した。新たなトランプ政権に市場は敏感に反応している。
【11/17】株高・ドル高はいつまで続く?<FX MARKET VIEW
そのようななか、人工知能(AI)を用いたドル円レート予測手法が注目を集めている。AIは膨大な過去データや経済指標、ニュース情報などを学習し、それらの複雑な相関関係を見出すことで予測精度を高めている。また、AIによる予測は、人間の感情に左右されることなく客観的かつ迅速に行われるため、市場参加者の意思決定をサポートする有力なツールとして期待が高まっている。一方で、その仕組みは非常に複雑であるため、予測結果の解釈や活用については確立されていない部分も多い。さらに、AIによる予測は過去のデータにもとづいているため、予期せぬイベントや市場の変化に対応することが難しいという指摘もある。
12月17日(火)当面のドル円相場見通し【注目!投資ストラテジー】
本レポートでは、最新のAI技術を活用し、トランプ政権下でのドル円相場の行方を分析する。具体的には、経済指標、金融政策、地政学的リスクなど、様々な要因を考慮しながら、複数のシナリオにもとづきドル円相場を予測する。そしてこの分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな知見を得ることを試みる。
ドル安 ドル高・円安に/日銀利上げや介入、FRB利下げ ..
トランプ氏の2025年から2029年の大統領任期におけるドル円相場の予測について、以下の分析フレームワークで検討を行う。本分析では、大規模言語モデル(LLM)を活用し、トランプ氏の過去の発言や政策、現在の経済状況、そして将来の不確実性を考慮した包括的な予測を試みる。
ドル円相場、プロの予想割れる 2025年は138円から160円まで
まず、「過去のレートの分析」工程で、ドル円レートの1996年以降のデータをAIに読み込ませ「1996年からの直近のドル円レートを分析してください」と指示したところ、AIはその週次データを解析したうえで、「長期的なレンジ相場」「1998年から2012年にかけての円高トレンド」「2012年以降の円安トレンド」「新型コロナショック後の急激な変動」「直近の動向」という5つの特徴について、以下の通り洞察した(図表1)。すなわち、「過去28年間、ドル円レートは80円から150円のレンジ内で推移しているが、1998年から2012年にかけての円高トレンドに続き、2012年以降は日銀の金融緩和政策や米国の金利上昇を背景に円安トレンドに転じた。2020年の新型コロナショックでは一時的に円高が進行したが、その後はドル高・円安方向に振れた。2023年に入ってからは127円から153円の範囲で推移し、米国の利上げペース鈍化観測から上値の重い展開となっている。今後の動向は日米の金融政策の違いやグローバルな経済情勢に左右される」というものである。
【NHK】先週はじめは1ドル=142円台だった円相場ですが、先週末は一時149円台まで値下がりしました。1週間でおよそ7円も円安が…
追加的なの利上げと米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げで日米金利差が一段と縮小すれば、円は対ドルで130円まで反発するとの声も聞かれている。ただ、米国の次期大統領に共和党のトランプ氏が返り咲くため、減税や高率関税などインフレにつながる政策が世界市場に及ぼす影響は現時点で見えづらく、ストラテジストらの念願がかなうかどうかは不透明だ。
裏切り続ける円、25年こそ反発とストラテジスト予想-金利差縮小
まず、トランプ氏の経済政策に関する主要な発言を分析し、その政策方針を明確化する。次に、これらの政策が実行された場合の「想定内シナリオ」におけるドル円相場への影響を、金融政策、財政政策、通商政策の観点から分析する。続いて、予期せぬ事態が発生した場合の「想定外シナリオ」について、地政学的リスクや国際金融市場の急激な変動などを考慮した分析を行う。最後に、各シナリオの発生確率をAIモデルによって算出し、より現実的な予測の提示を目指す。なお、本分析ではLLMの特性を活かし、膨大な過去データと最新の市場動向を組み合わせることで、より精度の高い予測の実現を図っている。
円高見通しが2年連続で外れる公算が大きい為替市場では、3度目の正直が2025年にはやってくるとストラテジストらはみている。
このAIが作成した2024年度の世界の地政学、経済、政治動向に関する楽観シナリオを改めて読み込ませたうえで、「楽観シナリオにもとづき2024年6月末、9月末、12月末のドル円レートを予測してください」と指示したところ、AIは、前提条件として政治の安定と国際協力の強化、経済成長の加速、地政学的リスクの低減が進むことという3点を挙げたうえで、2024年6月末130円、2024年9月末125円、2024年12月末120円という予測を算出した(図表3)。
高が加速し 155 円手前まで上昇。しばらくは上値重く推移したもの
このAIが作成した2024年度の世界の地政学、経済、政治動向に関する悲観シナリオを改めて読み込ませたうえで、「悲観シナリオにもとづき024年6月末、9月末、12月末のドル円レートを予測してください」と指示したところ、AIは、前提条件として世界的に政治的緊張が高まること、経済的不安定性が増大すること、地政学的リスクが増大することという3点を挙げたうえで、2024年6月末185円、2024年9月末210円、2024年12月末230円という予測を算出した。これらの予測値は、世界経済の先行き不透明感、日米金利差の拡大、世界的なリスク回避、日本経済の悪化、地政学的リスクの高まりといった要因が組み合わさることで円売り・ドル買いが進むという見通しが背景にある(図表 5)。
融政策の方向性が重要なカギを握ると考えられます。 米国ではインフレ鈍化の基調を受けて、金融政策の転
過去データの分析を行うことで、ドル円レートの変動パターンや傾向を把握し、楽観・悲観シナリオにもとづく予測では、将来起こりうる事象を想定し、それがドル円レートに与える影響を検討する。この2つのアプローチを組み合わせることで、過去の傾向と将来の可能性を総合的に考慮した予測が可能となる。
東京海上アセットマネジメントの「為替グラフ 米ドル/円」ページ。米ドルの対円為替レートの推移をご確認いただけます。
AIによるドル円レート予測は、その精度や利便性から今後さらなる発展が期待される。特に、機械学習技術の進化により、より複雑で非線形な関係性を捉えることが可能になってきており、今後も予測精度の向上が見込まれる。また、自然言語処理技術の進化により、ニュースや経済レポートなどのテキストデータから市場センチメントを読み取ることも可能になりつつある。これにより、AIはさらに総合的な判断を下せるようになるだろう。
内閣府の短期日本経済マクロ計量モデル(2018年版)によると、対
次に、「今後想定されるドル円価格シナリオを、就任日から任期終了までについて予測してください」とAIに指示したところ、基本シナリオとして強いドル・弱い円の展開が示され、政権移行期(2025年1~6月)では145~155円、政策実行初期(2025年後半~2026年)では150~165円、政策効果の本格化(2027年)では160~175円、政策定着期(2028年~2029年初)では165~180円という段階的な円安進行が予測された(図表2)。この予測には、法人税引き下げによる米国企業の収益改善、包括的関税措置の導入による輸入物価上昇、製造業の国内回帰、日米金利差の拡大などが要因として挙げられている。
ドルでの10%の円安は1年間の累積効果でGDPを0.46%押し上げる。 9
さらに、リアルタイムデータの取り込みや高速処理により、AIは人間よりも迅速に判断・予測することができる。急速に変化する市場環境において、素早い意思決定を可能にすることに加え、人間の感情や先入観に左右されることがないため、AIはより客観的で公平な判断ができる。これらの利点を活かすことで、AIによるドル円レート予測は、投資家の意思決定をサポートする強力なツールとなり得る。