円安急進の可能性も ドル円に節目か 日米金融政策の見通しは?


今年3月に日銀はマイナス金利を解除し、量的・質的金融緩和政策を終了しましたが、金融市場に過度の影響を与えないよう、国債買入れオペはそれまでと同様の規模で継続する方針を決定していました。しかし、その買入れ方針にはやや幅が設けられていたため、その範囲内で国債購入額を減らしたのです。これを受けて5月13日に、10年国債利回りは4月末よりも0.07%高い0.94%へ、2年国債利回りも同じく0.04%高い0.33%へ上昇しました。


結果、円よりも米ドルの需要が高まるため、円の価値が下がり米ドルの価値が上がる、円安ドル高になります。 金融政策発表時は為替変動に注意

この政策金利は、年8回開催される中央銀行の会議において決定されます。
米国では、FRBが開催するFOMC(米国連邦公開市場委員会)の会議で金融政策について議論され、方針が発表されます。FOMCは毎回2日間にわたって開催され、終了後に声明が発表されます。FRBのHPには開催日程が掲載されています。
金融政策にはいくつかの方法があり、そのうちの一つに政策金利の誘導目標の調節(利上げ・利下げ)があります。そのほか量的緩和や量的引締めなどもあります。中央銀行は様々な手法を使って金融市場の調整を行っています。

「政策金利」とは、各国の中央銀行が主に物価の安定を目的として設定する金利のこと。政策金利と為替レートには相関性があることが多く、政策金利の変動は為替相場に影響を与えます。

政策金利のない中銀はあるのか、その答えはイエス-QuickTake

米国(アメリカ)における政策金利は、民間銀行間で資金をやり取りする際の短期金利である「フェデラル・ファンド金利(短期FFレート)」を指します。米国の中央銀行の最高意思決定機関であるFRB(米連邦準備制度理事会)がこの短期FFレートの誘導目標を変更することで金融緩和あるいは引締めを行っています。
日本では政策金利を「0.25%程度」などと表示しますが、米国では、「5.25%から5.5%」と0.25%の幅をもたせた数値で表示されます。

ここでは、FXで注目されることが多い主要国の政策金利の推移と、各国の2024年の政策金利発表日を一覧で紹介します。

【詳細】米FRB 政策金利据え置き “9月会合で利下げの可能性” | NHK

各国中央銀行は景気や物価の動向をコントロールするために金利や通貨の供給量を調整する金融政策を行っています。この金融政策の一環として、中央銀行が設定する金利といいます。この政策金利は経済全体の金利水準に大きな影響を与え、物価の安定や経済成長を目的として調整されます。

一方、景気の後退局面においては、景気刺激策として、中央銀行は金融機関に対する貸出金利を下げます。これが「」です。
利下げによって、お金が借りやすくなり、家計は支出を増やし、企業も積極的に設備投資を行い、経済の活性化につながります。

また、ダウ平均株価も値上がりし、終値は前日に比べて99ドル46セント高い4万842ドル79セントでした。 FRBの金利政策のこれまでは

日米金利差を背景とした円安ドル高の流れが変化するとしたら、日米中銀の金融政策スタンスにかかっているでしょう。日銀もFRBも「2%の物価目標を持続的に達成できるかどうか自信がない」と示しているのですが、日銀は物価下振れを、FRBは物価上振れを警戒しており、政策方針が真逆です。それがこの金利差に繋がっているのですが、日米の物価動向次第では、金融政策姿勢が変化し金利差が縮小する可能性があります。

為替レートが金利差の影響を受けて動くのはよく知られています。特に、2022年初めから続いている円安ドル高局面ではその傾向が顕著となっています。図1は2004年以降のドル円レートと日米金利差の推移を示したものです。日米金利差は、2年物と10年物の国債利回りより算出しています。米国の金利から日本の金利を差し引いているので、相対的に米国金利が高まれば、ドル円レートもドル高に動いていることが見てとれます。なお、2003年以前は、両者はさほど連動してはいませんでした。


日銀が追加利上げを決定 政策金利0.25%に 円安ドル高是正も考慮か ..

政策金利や金利と景気の関係、為替レートには密接な関係があることについて触れてきました。FX取引をする上で政策金利を理解することは重要であり、トレードの戦略を立てる際にも非常に役に立ちます。各国の政策金利と為替レートの推移を比較してみることで、どのような局面で相関性が高いのか理解できるでしょう。また、アメリカの連邦準備制度理事会 (FRB)の将来の政策金利を予想するには、CMEグループが金利先物市場のデータを基に算出する「FedWatch Tool」もぜひ参考にしたいです。将来の利上げ・利下げを予想しながらトレードできるようになれば、あなたも一人前のFXトレーダーと言えるでしょう。

ドル円予想レポート · 各国政策金利 · スワップポイント ..

また、為替は日本の企業業績にも大きな影響を与えます。海外で販売した商品の売上を円換算した場合、円安のほうが円高のときよりも売上金額は多くなりますので、輸出企業にとって円安は有利に働きやすくなります。日本の代表的な企業には輸出産業が多いため、円安になると日本全体の株価は上昇する傾向にあります。ただし、円安は輸入企業には不利になりますので、個別の銘柄で考えれば、一概に円高が良いともいえません。
一方、企業側でも、為替リスク対策として為替予約をおこなったり、円建てで取引を行うなどの対策を講じています。輸出企業では、現地生産などを行うことで為替に左右されにくい企業体質に改善するといった工夫をしているようですので、少し為替が動いたからといって、すぐに業績に影響が出るわけではありません。とはいえ、予想外に大きく動く場合には、業績への影響も大きくなるので金利変動時には為替の動きを注視する必要があります。

[PDF] 図 ドル・ペソレート、政策金利、外貨準備高の推移

政策金利と為替レートの相関性がわかったところで、2024年の政策金利発表スケジュールをチェックしておきましょう。

円の実質政策金利はマイナス継続、利下げもドルに底堅さ=内田稔氏

もちろん、金融政策運営は経済・物価・金融環境など全般を見て判断するため、円安だけで日銀が追加利上げや国債買入れ縮小を決定するわけではありません。また、日銀の行動だけでは日米金利差が大幅に縮小する可能性は低く、FRBの利下げ観測が高まるかどうかが重要です。

円安加速、1ドル160円台を目指す ~日米金融政策の修正を受けて

《本資料は執筆者の見解を記したものであり、当社としての見通しとは必ずしも一致しません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、正確性、完全性を全面的に保証するものではありません。また、作成時点で入手可能なデータに基づき経済・金融情報を提供するものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようにお願い申し上げます。》

13日は日銀金融政策決定会合での利上げ見送りが改めて報じられる中、豪ドル・円は更に上昇し、越週した。 債券

前述の通り、一般的に利上げは通貨が高くなる要因、そして利下げは通貨が安くなる要因となります。わかりやすい例として、2003年以降のオーストラリアの政策金利と豪ドル円の為替相場の変動が挙げられます。オーストラリアの政策金利はオーストラリアの中央銀行である豪州準備銀行(RBA)によって2008年にかけて7.25%まで引き上げられ、それに伴い豪ドル円も上昇しました。豪ドル円は高金利通貨の代表格として、個人投資家から人気の通貨ペアとなりました。しかしその後、リーマンショックによる景気低迷を避けるため、オーストラリアの政策金利は徐々に引き下げられました。一時的に引き上げられた期間もありましたが、2020年にはコロナショックの影響から政策金利は0.25%まで引き下げられました。その後、世界的なインフレの影響から政策金利の引き上げとともに、豪ドル円も上昇していることが下のグラフから見てとれるでしょう。

豪ドル週間見通し:底堅い展開か、豪政策金利は当面据え置きの公算

シンガポールの金融政策は少し奇妙かもしれない。たいていの国や地域では、中央銀行が政策金利を動かすと、それに伴い為替相場が変動し得るが、シンガポールではその逆だ。シンガポール通貨庁(MAS)が4月と10月に開く政策決定会合で議論するのは政策金利ではない。シンガポール・ドル相場だ。

日本円の預金金利は、マイナス金利政策が解除されたものの、いまだ低い水準です。 ..

下図はここ10年の米国の政策金利の推移です。
金融危機(リーマンショック)の後、景気後退に対応するためゼロ近くまで引き下げられていた短期FFレートですが、2018年には経済が回復し、今度はインフレ懸念のため、金利が段階的に引き上げられました。しかし、その後コロナが蔓延、パンデミックの影響で経済が停滞したことにより、再びゼロ金利政策が導入され、さまざまな景気対策も打たれました。その後、景気が回復し、インフレ懸念が再燃したため、金利が引き上げられたという流れです。
このように、金利は景気と密接に関わり、「金利低下」→「景気回復」→「金利上昇」→「景気後退」→「金利低下」…を繰り返しています。

[PDF] 2020年の豪州準備銀行の金融政策と豪ドル相場の展望

為替レートが動く重要な要因の一つに金利があります。これは世界の金融市場の中で資金が常に有望な運用先に移動する傾向があるからです。例えば2国間の政策金利に差がある場合は金利の低い通貨が売られ、金利の高い通貨が買われやすくなります。金融政策発表の中でも特に政策金利の注目度が高く、事前予想と異なる結果となった場合はマーケットが大きく動くことがあります。一般的に利上げは通貨が高くなる要因となり、利下げは通貨が安くなる要因となります。また、為替レートは将来の起こりうる事象も織り込みながら推移しているため、要人発言等により将来の利上げ・利下げ期待が強まる場面でも為替レートが大きく動くこともあります。こうしたことから、政策金利と為替レートには相関性があると言われています。

153円台半ば FRBの政策金利決定控え 持ち高調整でドル売り優勢

人口約560万人の小国シンガポールは、経済の対外開放が進み、貿易に大きく依存している。 そのため為替相場は他国と比べ急激にインフレ率に影響を与える。中銀に相当するMASが物価安定という主要目標を達成するには、金利より為替相場を調整する方が効果的だ。シンガポール・ドル相場のコントロールは、直接的な市場介入により比較的容易でもある。

12月19日、日本銀行は金融政策の現状維持を決め、一時1ドル157円台まで円安が進んだ。ただ、今後の政策金利の方向性は上向きである。

FOMCが金融政策の方針を決める際に重視している指標があります。
その1つがCPI(消費者物価指数)です。金融政策を行う目的の1つに「物価の安定」がありますが、物価が安定しているかどうかを知る代表的な指標がこのです。CPIが前年比で高い状態がずっと続くと過度な物価上昇(インフレ)を招き、消費者の購買意欲が低下し、企業の売上が減少するといった経済にとってよくない状態に陥るため、政策金利を上げてそれを阻止する動きが強まります。
逆にCPIが前月比でマイナスになり、インフレが抑制されているとみなされると、市場では利下げ期待が高まります。

経済の過熱による物価高騰を抑えるために、FRBは、2022年の3月から政策金利の引き上げを開始した。

次に、政策金利が為替相場にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。この章の解説を読めば、FXを取引する投資家が政策金利に注目する理由がわかるはずです。