NZドル/円(NZDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し
・ NZ準備銀行の金融正常化
・ 日銀の政策スタンスに変更はあるのか?
・ 日本の国際収支
・ NZ日金利差との連動性
2023年9月の為替レート予想は「11日前後の英ポンド/円、NZドル
NZでは、新型コロナウィルスに締め出しに早く成功したこともあり、先進諸国に先んじて、2021年の8月には、金融政策の正常化に動きだしました。特に第2四半期消費者物価指数が、前年同期比で3.3%とNZ準備銀行がインフレ・ターゲットとする1-3%のレンジを上回ったことから0.25%の利上げを実施。その後も11月と今年の2月に0.25%の利上げ、更に4月からは5会合連続で0.50%の利上げを実施し、今年の11月には、インフレ率が7%台まで上昇したことで、1会合では異例の0.75%の利上げを実施しました。2023年末では、政策金利となるキャッシュ・ターゲット・レートを4.25%まで引き上げています。加えて最後の会合の声明では、「さらなる追加利上げが必要」、「政策金利は、以前示唆されていた水準よりもより高い水準まで上昇する見通し」と2023年も政策金利の引き上げを継続することを示唆しています。
また、台湾総統選、ロシア大統領選、9月の岸田首相の任期などの政治的日程が、予定されていますが、台湾の総統選で与党が勝利しても、中国が軍事行動に出る可能性は低く、プーチン大統領の再選は揺ぎ無く、為替・金融市場に大きな影響を与えることはなさそうです。ただ、直近米国の支援が止まる可能性が指摘されているウクライナ情勢では、今年も混戦が続く可能性が高いと思われますが、もし何かの政治的な動きが出て、停戦や終戦に向かう兆しが見えた場合、過去2年のエネルギーや商品市況に、大きな巻き戻しの動きが出るかもしれません。その場合、ユーロ相場に大きな動きが出る可能性があることは注意しておきましょう。
NZドル/円 好転シグナル示現!『8月末買い』戦略の確認と見通し(2023年9月21日:津田隆光) · Comments2.
一方金融市場では、5月にスタートするNY株式の決済の短縮化が、相場の波乱要因となるとの指摘が出ています。現状2営業日後に決済する売買代金を、翌営業日に決済を前倒しするというものですが、世界的な市場では、まだ2営業日後の決済が主流です。為替市場も、2営業日後に決済されますが、株式の取引に伴う為替ヘッジのリスクと絡めて、機関投資家やファンドなどの対応が遅れているようです。一部でこの変更によって、流動性のリスクも指摘されており、金融市場に混乱が生まれる可能性に注意しておきましょう。
高金利を背景に投資対象として見られることが多いことから、ニュージーランドの金融政策の方向性が大きな変動要因であるとともに、世界が政治的、経済的に安定している時にはNZドル高になりやすく、反対に混乱するとNZドル安になりやすい性質があります。
また、ニュージーランドは酪農産業が大変重要な地位を占めているため、乳製品最大手フォンテラによる乳製品の買い入れ価格の推移 (GDTニュージーランド価格指数として発表される) が、NZドル相場に大きな影響を与えることが他の通貨と異なった特徴です。貿易相手として輸出入ともに第1位の中国、第2位のオーストラリアの景気に左右されやすい傾向もあります。
ニュージーランド ドル / 日本 円【NZDJPY=X】:掲示板
NZドル / 円相場は、2000年代の前半の好調な世界経済とともにリスク選好の姿勢が強まり、高金利通貨を求める動きが広がったことや、赤字続きであった財政収支が黒字に転換したことなどから、2007年半ばにかけてNZドル高・円安で推移し、1NZド=97円台まで上昇しました。しかし2008年9月にリーマンショックが発生すると、投資資金が一気に流出したことなどからNZドルは1NZドル=44円付近まで50%以上も急落しました。下げ幅が大きかったのは、先進国通貨や隣国通貨の豪ドルに比べて取引量が小さいことも一つの要因でした。2009年以降は、世界経済の回復とともにNZドルは買い戻され1NZド=60円台まで反発し、以降数年は比較的安定した推移となりました。2012年末からは、アベノミクスによって円安傾向が強まる中1NZドル=94円台まで上昇しました。しかし、2014年終盤からの急激な原油安や、ニュージーランド準備銀行が利下げを示唆したことなどの影響で、円高・NZドル安基調に転じました。
2016年以降70円台を中心とした値動きが続きましたが、2020年に新型コロナの感染拡大による世界的な景気後退が起きると、2020年3月には1NZドル=60円付近まで下落しました。しかしその後、コロナ禍からの回復期待でリスク回避の動きが後退したことから1NZドル=80円台を回復しました。さらに2021年10月にニュージーランド準備銀行が利上げを開始するとNZドルは上昇基調で推移しました。
2024年3月、日銀金融政策決定会合で2013年から続けてきた異次元緩和の終了と約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁の会見などから、緩和的な金融政策が継続されると見られたことから、2024年4月には95円台まで上昇しました。4月末、急速な円安の動きに歯止めをかけようと財務省・日銀による円買い (対米ドル) の為替介入が行われたことから、いったんは90円台まで反落する場面もありましたが、その後も堅調な動きが続きました。一方ニュージーランド準備銀行は5月の会合で金融政策を据え置いたものの、インフレ圧力がなお続いているとして利上げも検討し、利下げ開始の予想も2025年4-6月から同7-9月へと先延ばしさせるなど利下げには消極的と見られたことからNZドルは堅調に推移し、6月には1NZドル=97円とおよそ17年ぶりの円安・NZドル高水準を付けました。
特にNZは、一部に豪州と並んで、資源国通貨と勘違いされていますが、地震国にも関わらず鉱物資源は少なく、基本的には農業中心の国です。石油などの資源を全て輸入に依存することで、ロシアのウクライナ侵攻による原油や天然資源の価格高騰の影響をもろに受けたようです。今後もNZのインフレの状況次第ですが、ただ、直近では原油価格に上げ渋りも見えています。インフレ・ターゲットを導入しているNZ準備銀行は、物価の上げ渋りが見えれば、率直に利上げを停止する可能性もあります。
ニュージーランド ドル / 日本 円【NZDJPY=X】 ..
その他、今年も大きな地震や自然災害、ガザの問題などいろいろ自然・地政学リスクが、市場の混乱につながっています。2024年も温暖化の影響など、何が起きるのかわかりません。こういった事象は突発的に起こることで、準備することはできませんが、常に、こういったリスクも念頭に入れて、相場に臨む姿勢を維持しておいた方が得策もしれません。
日々、海外のニュースやチャートをチェックし、インターバンク市場にて外国為替の取引をしている、トレイダーズ証券 市場部所属の為替ディーラーが、この記事を執筆しました。
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NZドルが対円で1週間ぶり高値、金利据え置きで 豪ドルもつれ高
豪準備銀行は、2022年5月から世界的なインフレの上昇もあって、2023年も利上げを継続し、据え置きする月もありましたが、最終的に11月に0.25%の追加利上げを実施し、政策金利を4.35%まで引き上げて、12月の会合でも据え置きを決定しています。
中銀はまた、20年12月の金利水準を1.84%と予想。これまでの予想の2.0%から下方修正した。 市場は利下げを予想
2022年の相場環境を踏まえて、2023年のNZドル円相場の注目点をまとめてみました。
(NZの見通し:2023年1-3月期~2025年10-12月期)
2022年12月20日の日銀金融政策決定会合で決定した「国債買入れ額を大幅に増額しつつ、長期金利の変動幅を、従来の±0.25%程度から±0.50%程度に拡大するとの措置は、市場に大きなサプライズとなりました。これ以前に黒田総裁は、「YCCの変動幅の拡大は、実質利上げになる」と話していただけに、市場は日銀のスタンスの変貌と捉えたようです。ただ、同総裁は記者会見において、「これは利上げではない」と明言しています。
[PDF] 最近のニュージーランド・ドルの下落と 今後の見通しについて
「インフレ率を妥当な期間内に目標に戻すため追加引き締めが必要かは、引き続き経済データとリスク評価の進展次第」
ニュージーランド・ドル(対円)は、堅調な国内景気や政策金利の引き上げなどを背景に、上昇基調が続いて
特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。
中銀は、2024年に利下げに転じる可能性も示唆。対米ドルで堅調さを保っていたNZドルは今後、一転して売りが加速する可能性がある。
地理的に近いオセアニアの豪ドルに連動しやすいことからNZドル も資源国通貨のように思われがちですが、ニュージーランド経済は、原油や鉄、銅といった資源価格よりも、農産物市況に影響を受けます。
NZドルの金利は、歴史的に他の先進諸国よりも高くなる傾向があります。そのため世界的に政治・経済が安定している時には、金利狙いの資金が集まりやすく、NZドルも高くなる傾向がある一方、突発的な混乱が生じると、一気に資金が流出して急激なNZドル安となることもあります。
NZドルは、基軸通貨はもちろん豪ドルと比べても取引量が小さいので、基本的に変動幅が大きく、短期的に大幅に値が動きやすい通貨です。
NZドル/円、10月二番底形成!?+豪ドル/NZドルの秋冬相場見通し(2023年10月12日:津田隆光) · Comments5.
この真意は不透明ですが、直近では東京市場で、10年物国債の取引が成立しない日があったり、国債入札で応札が募集に満たない「札割れ」が発生したりと、日本の国債市場で流動性の低下が発生していました。確かに日銀が、日本国債の発行残高の半分も買ってしまっていることで、市場流動性が低下するのは必然といえますが、あくまで市場の健全な育成を司る金融当局としては、由々し難い事実であり、今回の措置はあくまで、流動性を確保するためのテクニカルな措置であったともいえそうです。そうなると日本銀行が、現在のマイナス金利政策を放棄し本当の利上げに踏み切ると考えるのは時期尚早なのかもしれません。
タイトル iTrustインド株式|2023年の当ファンドのパフォーマンス状況と今後の見通し ..
この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「9月」のデータを集計して、2023年9月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
【2024年最新】世界GDPランキング なぜ日本は4位に転落したのか?
一方来年4月には、黒田総裁の任期が到来します。2023年2月頃には、この候補者が絞り込まれる見通しですが、現在日銀のプリンスと呼ばれてきた雨宮正佳現副総裁と幅広い国際的人脈を持つ前副総裁の中曽宏大和総研理事長、財務省からは浅川アジア開発銀行総裁、岡本元事務次官、また初の女性総裁として翁日本総合研究所理事長などが有力候補とされています。
【2024年4月4日】『4月強気相場』と足もと留意点 豪ドル/円・NZドル/円の見通し(津田隆光) · Comments3.
リポートの作成時点では、情報量が少ないのは残念ですが、2022年は、米国の中間選挙を始め、欧州や日本の選挙、中国の共産党大会など大きなイベントがありましたが、2023年は材料の少ない年となりそうです。
そうなるとやはり2023年のNZドル円相場は、NZ準備銀行と日銀の金融政策やウクライナ情勢次第となりそうです。
NZドル/円見通しズバリ予想、3分早わかり「NZ政策金利」2024年11月27日発表 · Comments.
豪準備銀行は、2024年末のインフレ率を約3.5%、2025年末には、同行が採用しているインフレ・ターゲットとなる2-3%の上限に達すると予想していますが、これを見る限り、ひきつづき警戒感を残していて、再利上げの可能性もあるかもしれません。
AUD/NZD 4・10月は相場の転換点?!(2023年10月3日:比嘉洋)
過去日銀総裁人事は、財務省と日銀の出身者がたすき掛けで総裁に就く慣例がありましたが、黒田総裁の評価は高かったとしても、財務省畑の出身であり、現実的にも異例の2期10年となる過去最長の就任期間に、インフレ目標やデフレの克服ができたとは言えません。次の総裁としては、特に次の総裁には、現在行っている異例規模の国債買入や世界的に唯一マイナス金利を導入している日銀の出口戦略が大きな課題となりそうです。テクニカル面でも相当難しい判断が迫られそうです。その面では、副総裁を経験した日銀プロパーの2名となる可能性が高く、その場合本当の意味で、日銀が利上げスタンスに変貌する日が訪れるかもしれません。そうなるとドル円相場にも大きなインパクトを与えると思います。
NZドルは2023年11月以来の安値付ける=東京為替 NZ ..
日本の国際収支は、過去長らく黒字を維持していましたが、2014年には、東北大震災の影響もあって一時赤字に転落。その後回復も見えていましたが、新型コロナウィルスの蔓延を受けたワクチンの購入や訪日外国人観光客の激減、更にロシアのウクライナ侵攻を受けた資源・商品価格の上昇、加えて大幅な円安の悪影響もあって、再び赤字転落が定着化してきています。
NZドル/円【NZDJPY】:外国為替・リアルタイムFXレート・チャート
一方バイデン大統領も次男のハンター・バイデン氏の問題で、共和党が同大統領の弾劾裁判に向けて動いています。また、高齢であることもあって、健康問題も懸念として残りそうです。つまり、その場合、次の候補者次第となるでしょうが、現状米国の大統領選の結果を占うことは非常に難しく、特に金融市場においては、この問題に関して、2024年を通して、常に経過を確認しておくことは重要となりそうです。